ごあいさつ

※本内容は平成29年度のものです。平成30年度以降の更新は予定しておりません。

取組代表者

情報科学研究科 研究科長 松本健一
 
 産業や社会を支える基盤技術として、その重要性が叫ばれてきたIT(情報処理技術)。昨今では、ITは”あたりまえの技術”として、まるで空気のようにあらゆる領域に組み込まれています。さらに、SNSなどがもたらす社会コミュニケーションの変化、映画や出版のあり方への大きな影響、そして、スマートグリッドによる電力管理とライフスタイルの変化といったように、今後は、あらゆる問題領域、様々な技術との複合的な関係の中でITを語ることが求められています。このように、今日のITは、社会を語る上での前提となる技術であり、しかも、複合的な問題や技術を束ねて解決する役割も求められています。従って、これからのIT技術者には、ひとつの分野に軸足を置いたスペシャリストであることに加え、大局的な視点で技術を語ることができ、利害関係者と調整をとりながらチームを率いて実社会の問題を解決できる能力が求められます。
 奈良先端科学技術大学院大学では、このような人材を「マルチスペシャリスト」と定義し、国内外の有望な人材を幅広く受入れてマルチスペシャリストとして育成するためのプログラム「IT-Triadic」を構築しました。“Triadic”とは、「3つの」という意味です。音楽では「3和音」と呼ばれます。3つの音の組み合わせによってさまざまな美しい和音が構成されるように、実社会の様々な問題に対して複合的な視点を持つことができるマルチスペシャリストを育成することを意味しています。
 
 平成24年度からのIT-Triadic本格始動にあたり、私たちがこれまでに人材育成面で実績を積み重ねてきた先端情報3分野(ソフトウェア、ロボット、情報セキュリティ) の科目群を軸にした3つのコースと、より複合的な技術視点を重視したコースの合計4コースを設定しました。また、複合力を養うための鍵として分野横断型のプロジェクト実習である「先端複合演習」(“Studio of Advanced IT”)を設けました。さらに、構成する3分野の科目群をどのように組み合わせて履修すれば美しい和音を奏でることができるか、学生1人ひとりに継続的にアドバイスを行なうインストラクター制度を設けるなどのキャリアデザイン支援体制を整備しました。プログラムを履修し終えた学生には、IT-Triadicの修了認定証が発行されます。
IT-Triadicプログラムを修了した学生の皆さんが、まさしくマルチスペシャリストとして、次の社会の中心となって、社会と技術をリードし、活躍されることを祈念しております。